伝統的価値観を転覆させる革新的デザイン

こんにちは、ファッション愛好家の皆さん。今回は日本が世界に誇るブランド「Maison MIHARA YASUHIRO（メゾンミハラヤスヒロ）」をご紹介します。常識を覆す斬新なデザインと確かな職人技で、オリジナリティと実用性を両立させ、国内外で高い評価を得ているMaison MIHARA YASUHIROの魅力に迫ります。

創設者格言：三原康裕の哲学
ブランド沿革：Maison MIHARA YASUHIROの軌跡
ブランドライン：Maison MIHARA YASUHIROのコレクション
ブランド愛用者：Maison MIHARA YASUHIROを愛する人々
1. ミュージシャン

創設者格言：三原康裕の哲学

「自分が欲しいものがなかったから作った。既存のものを壊して、自分なりに再構築することで、新しい価値を生み出したい。」 – 三原康裕

Maison MIHARA YASUHIROの創設者である三原康裕は、常にオリジナリティを追求するデザイナーとして知られています。桑沢デザイン研究所でファッションを学んだ後、自身のブランドを立ち上げ、独自の美学を築き上げてきました。

「スニーカーでもアパレルでも、単に『変なもの』を作るのではなく、基本をきちんと理解した上で意図的に崩すことが大切。そこに職人的な丁寧さと遊び心を加えることで、唯一無二の価値が生まれると信じています。」

三原のデザイン哲学の核心にあるのは「デコンストラクション（解体と再構築）」の概念です。既存の製品や伝統的な技術を一度解体し、独自の視点で再構築することで、見慣れたものに新たな命を吹き込むアプローチは、彼の作品全体を通じて一貫しています。特にスニーカーデザインにおける独創的な解釈と職人技による高度な技術の融合は、ブランドの象徴的な特徴となっています。

ブランド沿革：Maison MIHARA YASUHIROの軌跡

年	出来事
1997年	三原康裕が「MIHARA YASUHIRO」ブランドを設立
1998年	初のオリジナルシューズコレクション発表
2000年	PUMAとのコラボレーションをスタート
2004年	パリコレクションにてメンズウェアコレクションのランウェイデビュー
2006年	東京・青山に旗艦店「アトリエ兼ショップ」をオープン
2010年	ブランド名を「Maison MIHARA YASUHIRO」に変更
2012年	初のウィメンズコレクションをパリで発表
2016年	「オリジナルソールスニーカー」シリーズを発表、世界的なヒットとなる
2019年	ブランド設立20周年記念コレクションを発表
2021年	オンラインストアを強化、グローバル展開を加速
2023年	サステナブルな素材開発に注力した新コレクション発表

ブランドの誕生と初期の展開

Maison MIHARA YASUHIROの歴史は、1997年に三原康裕が自身の名を冠した「MIHARA YASUHIRO」ブランドを設立したことから始まります。桑沢デザイン研究所を卒業後、既存の枠組みにとらわれない独自のデザイン表現を求めて立ち上げられたこのブランドは、当初からオリジナリティを追求する姿勢が鮮明でした。

1998年に発表された初のオリジナルシューズコレクションでは、斬新なデザインと高い技術力が注目され、日本国内のファッショニスタから支持を集めます。特に、従来のシューズデザインの概念を覆す独創的なアプローチと日本の職人による丁寧な仕上げの融合は、ブランドの特徴的なアイデンティティとして確立されていきました。

国際的な評価とコラボレーション

2000年に始まったPUMAとのコラボレーションは、ブランドの国際的な認知度を高める重要な転機となりました。スポーツブランドの機能性と三原独自の創造性が融合したこのコラボレーションは、世界のスニーカーカルチャーに新しい風を吹き込み、高い評価を獲得しました。

2004年にはパリコレクションでメンズウェアコレクションをデビューさせ、シューズデザイナーとしてだけでなく、総合的なファッションデザイナーとしての才能も国際的に認められるようになります。パリでのショーは、日本のデザイナーでありながらも、東京的な美意識とヨーロッパのクラフトマンシップを融合させた独自の世界観で注目を集めました。

ブランドの進化と確立

2006年には東京・青山に「アトリエ兼ショップ」をオープンし、デザインから製作、販売までを一貫して行う拠点を確立。クリエイションの場を公開することで、ブランドの透明性と職人的なアプローチを強調しました。

2010年にはブランド名を「Maison MIHARA YASUHIRO」に変更し、より国際的な視点と高級感を持つメゾンとしての立ち位置を明確化。2012年には初のウィメンズコレクションをパリで発表し、男性向けだけでなく女性向けのデザインにもその独創性を広げていきました。

革新と伝統の融合

2016年に発表された「オリジナルソールスニーカー」シリーズは、ブランドの代名詞的な存在となる大ヒット商品へと成長しました。伝統的なキャンバススニーカーのシルエットを独自の視点で再解釈し、溶けたように変形したソールデザインを特徴とするこのシリーズは、世界中のスニーカーコレクターやファッション愛好家から熱狂的な支持を受けています。

2019年にはブランド設立20周年を記念したコレクションを発表し、過去のアーカイブを現代的に再解釈しながら、未来への展望を示す節目の年となりました。長年にわたって培われた独自の美学と技術の集大成として、国際的なファッションシーンで高く評価されています。

現代の展開と未来への視点

2021年以降は、パンデミックの影響もあり、オンラインストアの強化とグローバル展開の加速に取り組んでいます。実店舗での体験価値を損なうことなく、デジタル空間においてもブランドの世界観を伝える取り組みが進められています。

2023年には、サステナビリティに焦点を当てた新しいコレクションを発表。再生素材の活用や環境負荷の少ない生産プロセスの採用など、時代の要請に応えながらも、独自の創造性を失わない姿勢が評価されています。伝統的な技術と革新的なデザイン、そして現代的な環境意識の融合は、これからのMaison MIHARA YASUHIROの方向性を示す重要な一歩となっています。

ブランドライン：Maison MIHARA YASUHIROのコレクション

メンズコレクション

ブランドの中核をなすメンズコレクションは、デコンストラクションの美学と確かな職人技術が融合した独創的なデザインが特徴です。伝統的なワークウェアやスポーツウェア、クラシカルなテーラードアイテムなどを独自の解釈で再構築することで、見慣れたアイテムに新しい命を吹き込んでいます。特に「崩し」と「再構築」のバランスが絶妙で、斬新なデザインでありながらも、実際に着用できる機能性と実用性を兼ね備えています。素材選びも独特で、伝統的な生地と革新的な現代素材の組み合わせや、意外性のある素材の対比などを取り入れることで、触感と視覚の両面で予想外の体験を提供します。

ウィメンズコレクション

2012年にスタートしたウィメンズコレクションは、メンズラインで培われた独自の美学と技術を女性向けに展開したラインです。メンズウェアからの直接的な転用ではなく、女性の体型と動きを考慮して一から設計されたデザインが特徴で、女性らしさを強調するよりも、中性的で知的な魅力を持つスタイルを提案しています。伝統的なフォルムと革新的なディテールの融合、予想外の素材の組み合わせなど、三原康裕ならではの実験的アプローチはそのままに、よりエレガントで洗練された表現が追求されています。カジュアルからフォーマルまで幅広いシーンに対応できる汎用性も魅力の一つです。

代表的なアイテム

Maison MIHARA YASUHIROには多くの象徴的なアイテムがありますが、特に代表的なものとして以下が挙げられます：

アイテム	特徴
オリジナルソールスニーカー	2016年に登場し、ブランドの代名詞となった「オリジナルソールスニーカー」は、クラシックなキャンバススニーカーの形状をベースに、独自の解釈で再構築したアイコニックなシューズです。最も特徴的なのは、まるで溶けたワックスのように変形したラバーソールデザイン。この一見偶発的に見える変形は、実は緻密に計算された意図的なデザインであり、職人による高度な技術で実現されています。アッパーはキャンバスやレザーなど様々な素材で展開され、シーズンごとに新たなカラーやディテールのバリエーションが発表されますが、その独特のソールデザインは変わらない象徴的な要素となっています。見た目のインパクトだけでなく、実際の履き心地も考慮されており、通常のスニーカーとは一線を画す立体的なクッション性を提供します。
ハイブリッドレザージャケット	複数の異なるジャケットスタイルや素材を一つのガーメントに融合させた「ハイブリッドレザージャケット」は、Maison MIHARA YASUHIROのデコンストラクション美学を象徴するアイテムです。例えば、クラシックなライダースジャケットのデザイン要素にテーラードジャケットの構造を取り入れたり、フロントとバックで異なるジャケットタイプを組み合わせたりするアプローチが特徴的。素材も厳選されたレザーをメインに、時にはデニムや高級ウール、テクニカル素材などを部分的に組み合わせることで、予想外の対比を生み出しています。縫製も非常に精密で、一見複雑な構造でありながらも、着用感と耐久性を損なわない高いクオリティを実現。着る角度や動きによって異なる表情を見せるこのジャケットは、他にはない独自のアイデンティティを持ったステートメントピースとなっています。
リコンストラクテッドデニム	伝統的なデニムジーンズの概念を再解釈した「リコンストラクテッドデニム」は、ブランドのアパレルラインを代表するアイテムの一つです。複数のデニムパーツを解体し、独自の視点で再構築することで、従来のジーンズの概念を超えた新しい表現を追求しています。例えば、フロントとバックで異なる色合いや加工のデニムを組み合わせたり、通常とは異なる位置に配置されたポケットやステッチ、意図的に歪めた裁断ラインなどが特徴的。しかし、これらの実験的な要素にもかかわらず、着用感と耐久性への配慮は妥協されておらず、実用的なデイリーウェアとしての機能も維持しています。使い込むほどに独自のエイジングを楽しめるよう設計されており、長年着用することでより一層の魅力を増す一着となっています。
ディストーテッドニット	クラシックなニットウェアに独自の「歪み」の要素を取り入れた「ディストーテッドニット」シリーズは、Maison MIHARA YASUHIROの実験的アプローチを表現するアイテムです。伝統的なニット技術をベースにしながらも、意図的に非対称なパターンや歪んだシルエットを取り入れることで、見慣れたニットセーターやカーディガンに新しい命を吹き込んでいます。例えば、片側だけが極端に長かったり、襟元や袖の形状が非対称だったり、編み模様が途中で変化したりといった意外性のある要素が特徴的。素材選びも独特で、高級カシミアやメリノウールなどの上質な天然素材を中心に、時には技術的なヤーンも組み合わせています。着る人の動きによって形状が変化するよう設計されており、静止しているときとは異なる表情を動きの中で見せる面白さも持ち合わせています。
オーバーサイズドテーラード	クラシカルなテーラリングの概念を現代的に再解釈した「オーバーサイズドテーラード」コレクションは、伝統と革新のバランスを探求するMaison MIHARA YASUHIROの哲学を体現しています。伝統的なテーラードジャケットやコートのパターンを意図的に拡大・変形させ、現代的なオーバーサイズシルエットとして再構築する試みが特徴です。単に大きくするだけでなく、肩のラインや襟の構造、ボタン配置などに微妙な変更を加えることで、クラシカルな要素と前衛的な要素が絶妙に融合しています。素材選びも独創的で、伝統的なウールやツイードに加え、技術的な現代素材を取り入れることもあります。フォーマルとカジュアルの境界を曖昧にするこのアプローチは、現代のドレスコードに対する問いかけとしても機能しており、様々なシーンや着こなしに柔軟に対応できる汎用性も魅力となっています。

PUMAとのコラボレーション

スポーツとファッションの革新的融合

2000年から始まったPUMAとの長年にわたるコラボレーションは、Maison MIHARA YASUHIROの国際的な認知度を高める重要な要素となっています。このパートナーシップは、スポーツブランドの機能性と技術力に、三原康裕の前衛的なデザイン視点を融合させた革新的なフットウェアを生み出してきました。

特に注目すべきは、PUMAの象徴的なモデルに三原独自の解釈を加えたシリーズです。クラシックなランニングシューズやテニスシューズのシルエットをベースに、構造的な変更や意外性のある素材使い、独創的なディテールを加えることで、スポーツウェアとハイファッションの境界を曖昧にする先駆的な試みとなりました。例えば、複数の異なるスニーカーの要素を一つに融合させたハイブリッドモデルや、伝統的なクラフト技術を取り入れた意外性のある仕上げなど、従来のスポーツシューズの概念を拡張する提案が特徴的です。

このコラボレーションは単なる商業的な提携を超え、ストリートカルチャーとハイファッション、機能性とデザイン性といった従来は相反すると考えられていた要素の間の新しい可能性を探求する文化的なプロジェクトとしても評価されています。20年以上続くこの協業は、両ブランドの強みを活かしながら常に進化を続け、スニーカーカルチャーにおける重要な存在として確立されています。