コムデギャルソン徹底解説:革新を続ける日本発のアヴァンギャルドブランド
ファッション界において、常に前衛的なデザインで世界を驚かせ続けるブランド「コム デ ギャルソン(COMME des GARÇONS)」。フランス語で「少年のように」という意味を持つこのブランドは、日本人デザイナー川久保玲によって創設され、半世紀近くにわたって独自の美学を貫いてきました。今回は、このアヴァンギャルドブランドについて、デザイナーの格言、ブランドの沿革、多彩なラインナップ、そして愛用している芸能人まで徹底解説します。

デザイナー川久保玲の格言と哲学
川久保玲は1942年、東京に生まれました。彼女の独創的な視点とファッションに対する哲学は、数々の名言として残されています。その言葉からは、既成概念に挑戦し続けるデザイナーとしての姿勢が伝わってきます。
革新的精神を表す格言
「私にとって新しいものを創ることは、これまで見たことがないものを見出すことです」
この言葉は、常に新しい美の形を追求し続ける彼女のクリエイティブな姿勢をよく表しています。ファッションにおける「美」の定義自体を問い直し、時に不完全さや非対称性の中に美を見出す彼女の視点は、従来のファッション界の常識を覆しました。
「服はいつも人生と繋がっていなければならない。服は人生の表現であり、人生の一部です」
この言葉からは、単なる装飾としてではなく、生き方や思想の表現としてファッションを捉える川久保の深い哲学が感じられます。
「私は自分自身に『なぜ?』と問い続けています。それが常に新しい答えをもたらします」
この創造の原点となる問いかけの姿勢こそが、コム デ ギャルソンが半世紀にわたって革新を続けられる秘訣なのかもしれません。
ブランドの沿革:反逆から始まった歴史
1969年
川久保玲によって東京でコム デ ギャルソンが設立
1973年
正式にブランドとして立ち上げられる
1981年
パリコレクションでデビュー。黒を基調とした前衛的なコレクションは、当時のファッション界に衝撃を与える
1982年
「穴だらけニット」と称される、意図的に破れや穴を作ったニットウェアのコレクションを発表
1997年
「Body Meets Dress, Dress Meets Body」として知られる「こぶドレス」コレクションを発表
2004年
ロンドンに複合型セレクトショップ「Dover Street Market」をオープン
2008年
経済危機を背景に「BLACK COMME des GARÇONS」を誕生
2012年
「二次元」コレクションと呼ばれる、平面的なシルエットの衣服を提案
現在
80歳を超えた川久保玲は今もブランドのクリエイティブを精力的に牽引し続けている
転換点となった歴代コレクション
コレクション名 | 年代 | 特徴 | 革新性 |
---|---|---|---|
「穴だらけニット」コレクション | 1982年 | 意図的に破れや穴を作ったニットウェア | 「完璧な仕立て」という従来の価値観への挑戦 |
「Body Meets Dress, Dress Meets Body」 | 1997年春夏 | 通称「こぶドレス」。体の輪郭を変形させるパッドを使用 | 身体美の概念を根本から問い直した |
「二次元」コレクション | 2012年秋冬 | 平面的なシルエットの衣服 | 立体的な人間の身体を平面的に捉え直す試み |
多彩なブランドライン展開
コム デ ギャルソンは、メインラインだけでなく、多くのサブラインやコラボレーションラインを展開しています。それぞれが独自のコンセプトとターゲットを持ち、ブランド全体としての幅広い表現を可能にしています。
メインライン
ブランド名 | 特徴 | ターゲット |
---|---|---|
COMME des GARÇONS | ブランドの中核となるウィメンズライン | 最も実験的かつ前衛的なデザインを求める層 |
COMME des GARÇONS HOMME | クラシックな要素と前衛的デザインを融合 | 革新的でありながらも着やすさを求めるメンズ |
COMME des GARÇONS HOMME PLUS | より実験的なメンズライン | ランウェイファッションを日常に取り入れたい層 |
アクセシブルなサブライン
ブランド名 | 特徴 | 人気アイテム |
---|---|---|
COMME des GARÇONS PLAY | 赤いハートマークのロゴが特徴的な、カジュアルライン | Tシャツ、カーディガン、スニーカー |
COMME des GARÇONS SHIRT | 独創的なプリントやデザインのシャツを中心としたメンズライン | プリントシャツ、パッチワークデザイン |
COMME des GARÇONS WALLET | 財布や小物類を中心としたアクセサリーライン | コンパクト財布、カードケース |
コラボレーションと特殊ライン
名称 | 発表年 | 概要 |
---|---|---|
BLACK COMME des GARÇONS | 2008年 | 経済危機を背景に誕生した、よりアフォーダブルな価格帯のライン |
Dover Street Market | 2004年 | ロンドンでオープンした複合型セレクトショップ。現在は世界各地に展開 |
コラボレーション – ナイキ | 複数年 | スニーカーを中心としたコラボレーション |
コラボレーション – H&M | 2008年 | ファストファッションブランドとのコラボレーション |
コラボレーション – シュプリーム | 複数年 | ストリートウェアブランドとのコラボレーション |
着用している芸能人
コム デ ギャルソンは、その独創的なデザインから多くのアーティストや芸能人に支持されています。中でも特に熱心な愛用者として知られているのは以下の人々です。
海外セレブリティ
ファレル・ウィリアムス
コム デ ギャルソンとのコラボレーションも実現した熱心なファン。特にPLAYラインの愛用者として知られています。
レディー・ガガ
アヴァンギャルドなファッションセンスで知られるガガは、過去に様々なコム デ ギャルソンの作品を着用。特に挑戦的なランウェイピースを公の場で着こなすことも。
カニエ・ウェスト
ファッションデザイナーとしても活動するカニエは、コム デ ギャルソンの革新的なアプローチに影響を受けたと公言しています。
トレント・レズナー
ナイン・インチ・ネイルズのフロントマンで、長年にわたりコム デ ギャルソン HOMMEの愛用者として知られています。
日本の著名人
坂本龍一
生前、長年にわたってコム デ ギャルソンを着用し続けた音楽家。その知的でミニマルな美学はブランドの哲学と共鳴するものがありました。
渡辺謙
国際的な俳優として活躍する渡辺は、フォーマルな場でもコム デ ギャルソンのスーツを好んで着用しています。
菊地凛子
女優としてのキャリアを通じて、コム デ ギャルソンの独創的なドレスを様々な公の場で着用しています。
常田大希(King Gnu)
音楽活動やファッションでも注目を集める常田は、コム デ ギャルソン HOMMEのアイテムを多く取り入れています。
ブランドの現在と未来
2023年現在、創設者の川久保玲は80歳を超えてなお、精力的にブランドのクリエイティブを牽引し続けています。近年は若手デザイナーの育成にも力を入れ、自身のアシスタントだった多くのデザイナーが独立してブランドを立ち上げるのをサポートしてきました。
コム デ ギャルソンは単なるファッションブランドの枠を超え、現代アートと商業の境界を曖昧にする文化的存在となっています。その革新的精神は、これからも多くのクリエイターやファッション愛好家に影響を与え続けることでしょう。
まとめ
コム デ ギャルソンは、その独創的なデザイン哲学、半世紀にわたる革新の歴史、多彩なブランドライン展開、そして幅広い支持者層を持つ、まさに現代ファッション界の重要な礎石と言えるでしょう。
川久保玲の「常に問い続ける」姿勢は、ファッションというフィールドを超え、私たちに創造性と革新の本質について考えさせてくれます。彼女の作品は、単なる衣服ではなく、時代や文化を映し出す鏡であり、着る人の個性や思想を表現するためのキャンバスなのです。