ヴィンテージの再解釈とエクレクティックな美学
こんにちは、ファッション愛好家の皆さん。今日は日本が世界に誇るファッションブランド「NEEDLES(ニードルス)」について深掘りしていきます。アメリカンヴィンテージへの深い敬意と独自のエクレクティックな感性を融合させた独創的なスタイルで、国内外のファッションシーンに革新をもたらし続けるNEEDLESの魅力に迫ります。
創設者格言:清水慶三の哲学

「私にとって、古いものの中にこそ新しいものが見つかる。ヴィンテージは単なる懐古ではなく、未来への創造の源泉なんです。」 – 清水慶三
NEEDLESを率いる清水慶三は、ネペンテスの創設者であり、日本のファッションシーンにおける重要な革新者です。彼のデザイン哲学は、過去の美学を尊重しながらも、それを現代的な文脈で再解釈し、全く新しいものを生み出すことにあります。
「服作りで最も大切なのは、着る人がその服を通して自己表現できること。私たちが提案するのは完成されたスタイルではなく、着る人が自分のスタイルを発見するための道具です。」
清水氏の独自の視点は、アメリカンカジュアルやミリタリー、ワークウェアなど多様なスタイルを取り入れながらも、従来の枠に収まらない独創的なアプローチを生み出しています。特にリメイク技術を活用した「再構築」のコンセプトは、NEEDLESのアイデンティティを形成する中核的な要素となっています。
ブランド沿革:NEEDLESの歩み
年 | 出来事 |
---|---|
1988年 | 清水慶三がセレクトショップ「ネペンテス」を設立 |
1997年 | ネペンテスのインハウスブランドとして「NEEDLES」が誕生 |
2000年 | アイコニックな「Rebuild」シリーズを開始 |
2004年 | 象徴的なアイテム「トラックパンツ」初登場 |
2010年 | 初の単独コレクション発表、国内のコアなファンを獲得 |
2012年 | 「Papillon刺繍」が特徴的なトラックジャケットを発表、人気アイテムに |
2016年 | A$AP Rockyなど国際的セレブリティが着用し始め、グローバルな注目を集める |
2018年 | 海外の高級セレクトショップでの取り扱いが拡大、国際的な展開を強化 |
2020年 | オンラインプレゼンスを強化、グローバル市場での認知度を向上 |
2022年 | ブランド25周年を記念した特別コレクションを発表 |
ネペンテスからNEEDLESの誕生
NEEDLESの始まりは、1988年に清水慶三が設立したセレクトショップ「ネペンテス」にまで遡ります。ヴィンテージアメリカンウェアとミリタリーウェアに深い造詣を持つ清水氏は、単に輸入品を販売するだけでなく、それらを再解釈した独自のアイテムを提案したいという思いから、1997年にネペンテスのインハウスブランドとして「NEEDLES」を立ち上げました。
ブランド名の「NEEDLES」(針)は、縫製の基本道具である針への敬意を表すとともに、細部へのこだわりと職人技への尊重を象徴しています。設立当初から、既存の衣服を解体し再構築するという、現在でこそ一般的になった「リメイク」の概念をいち早く取り入れ、独自の美学を追求してきました。
「Rebuild」シリーズと独自の表現
2000年に始まった「Rebuild」シリーズは、NEEDLESの革新性を象徴するプロジェクトとなりました。ヴィンテージのミリタリーガーメントやデニム、フランネルシャツなどを解体し、独自の視点で再構築するこのシリーズは、持続可能なファッションの先駆けとしても評価されています。一点物としての希少性と、既存の価値観に囚われない創造性が融合したRebuildは、ブランドのアイデンティティを確立する重要な要素となりました。
2004年には、後にNEEDLESの象徴的アイテムとなる「トラックパンツ」が初登場。70年代のスポーツウェアからインスピレーションを得ながらも、独自の解釈で現代的にアップデートされたこのアイテムは、後に様々なバリエーションで展開され、ブランドを代表するシグネチャーピースへと成長していきます。
国際的な評価と拡大
2010年代半ばから、NEEDLESは国内のファッション愛好家の間での支持にとどまらず、国際的な注目を集めるようになります。2016年頃から、A$AP Rockyなどの影響力のある国際的セレブリティが着用するようになり、グローバルなストリートファッションシーンでの認知度が飛躍的に高まりました。特に蝶の刺繍が特徴的な「Papillonトラックジャケット」は、世界中のファッション愛好家から熱狂的な支持を集める象徴的アイテムとなっています。
2018年以降は、Dover Street MarketやSSENSEなど、世界の高級セレクトショップでの取り扱いも拡大し、グローバルなファッションシーンにおける存在感をさらに高めていきました。ストリートからハイファッションまで、様々なスタイルの境界を曖昧にする独自のアプローチは、現代のファッションの多様性を体現するものとして国際的に評価されるようになっています。
現在と未来の展望
2020年以降、NEEDLESはオンラインプレゼンスを強化し、パンデミック下においても独自の世界観を発信し続けています。2022年にはブランド設立25周年を記念した特別コレクションを発表し、過去のアーカイブを再解釈しながらも、未来へのビジョンを示す節目の年となりました。
創設以来一貫して、ヴィンテージへの敬意と革新的な解釈、そして職人技による高い品質を大切にしてきたNEEDLESは、サステナブルファッションへの関心が高まる現代において、その先見性がより一層評価されるようになっています。リメイクやアップサイクルの先駆者として、持続可能なファッションの未来を示す重要な存在となっています。
ブランドライン:NEEDLESのコレクション
NEEDLES メインライン
NEEDLESの中核となるコレクションで、アメリカンヴィンテージの要素をベースにしながらも、独自の解釈で現代的にアップデートしたデザインが特徴です。トラックジャケットやパンツ、ボウリングシャツなど70年代のレトロスタイルに影響を受けたアイテムから、テーラードジャケットやコートなどのフォーマルなピースまで、幅広いアイテムを展開。素材選びも独特で、高級感のあるベロアやジャカード、独自開発のポリエステル素材など、視覚的にもインパクトのある素材を多用しています。Papillon(蝶)の刺繍や、特徴的なパープルカラーなど、ブランドを象徴するデザイン要素も魅力です。
NEEDLES Rebuild
ヴィンテージアイテムを解体し、独自の視点で再構築した「Rebuild」ラインは、NEEDLESの創造性と実験精神を最も体現したコレクションです。米軍のミリタリージャケットやカレッジスウェット、フランネルシャツなど、様々なヴィンテージアイテムを素材として、パッチワークやリメイク技術を駆使して全く新しいガーメントに生まれ変わらせます。一点物としての希少性と、サステナブルなアプローチとしての意義を兼ね備えたこのラインは、コレクターからの評価も高く、NEEDLESの独自性を最も強く表現するシリーズとなっています。素材そのものが持つ経年変化や物語性を尊重しながらも、現代的な解釈を加えるという哲学が貫かれています。
代表的なアイテム
NEEDLESには多くの象徴的なアイテムがありますが、特に代表的なものとして以下が挙げられます:
アイテム | 特徴 |
---|---|
Trackジャケット & パンツ | NEEDLESを代表する象徴的なアイテムとして、Trackジャケットとパンツのセットアップが挙げられます。70年代のヴィンテージトラックスーツからインスピレーションを得つつも、現代的な解釈で再構築されたこのアイテムは、特にサイドに配されたラインテープのデザインと、胸元やバックに施された「Papillon(蝶)」の刺繍が特徴的です。素材にはポリエステルやベロアなどの光沢感のある生地が使用され、レトロでありながらも現代的な雰囲気を醸し出します。カラーリングも豊富で、シーズンごとに様々なバリエーションが展開されるため、コレクターアイテムとしても人気を集めています。着心地の良さと独特の存在感から、幅広いスタイルの人々に愛されるNEEDLESの顔とも言えるアイテムです。 |
7カットシャツ | 7枚のヴィンテージフランネルシャツを解体し、再構築した「7カットシャツ」は、NEEDLESのRebuildラインを代表する革新的なアイテムです。異なる柄や色のフランネルシャツを縦に切り分け、不規則に組み合わせることで、一点ものの個性的なデザインを生み出しています。解体と再構築というNEEDLESの哲学を最も直接的に表現するこのシャツは、サステナブルなファッションの先駆けとしても評価されています。見た目のインパクトだけでなく、フランネル素材の着心地の良さも保持されており、機能性とデザイン性を両立させた傑作と言えます。縫製の技術も高く、解体と再構築という複雑なプロセスにもかかわらず、高い耐久性と快適な着用感を実現しています。 |
Ghillie Suit | 軍事用の迷彩服「ギリースーツ」からインスピレーションを得た「Ghillie Suit」は、NEEDLESの実験精神を象徴するアヴァンギャルドなアイテムです。通常のジャケットやベストに、糸や布の断片を重層的に縫い付け、独特の立体的なテクスチャーを生み出しています。本来は狩猟や軍事目的で使用される偽装技術を、ファッションの文脈で再解釈したこのアイテムは、NEEDLESならではの遊び心と革新性を示しています。一見奇抜に見えるデザインながらも、実際に着用するとモダンなスタイリングに意外なほど馴染み、着る人の個性を引き立てる効果があります。限定生産のため希少価値も高く、コレクターアイテムとしても高い人気を誇っています。 |
Ribbon Flannel Shirt | クラシックなフランネルシャツに、独自のアプローチでリボンテープを縫い付けた「Ribbon Flannel Shirt」は、伝統とモダンの融合を表現するアイテムです。チェック柄のフランネルシャツをベースに、フロントやバックに装飾的なリボンテープをジグザグパターンで縫い付けることで、伝統的なワークウェアに現代的なモードの要素を取り入れています。実用的なフランネル素材の快適さはそのままに、視覚的なインパクトを加えるというNEEDLESならではのバランス感覚が光る一着です。カジュアルなスタイルにエッジを効かせたい人にとっての理想的なアイテムとして、コアなファッション愛好家から高い支持を受けています。 |
H.D. Pant | NEEDLESの数あるボトムスの中でも特に人気の高い「H.D. Pant」は、クラシカルなミリタリーパンツをベースに、現代的な解釈でアップデートされたアイテムです。「H.D.」は「Home Dressmaking(家庭での仕立て)」の略で、手作りのような親しみやすさと独特の風合いを表現しています。ウエスト部分の独特の設計(ボタンではなくフックでの留め具)や緩やかなテーパードシルエット、裾の広がりなど、細部にまでこだわった設計がされており、履き心地の良さと洗練された見た目を両立しています。素材にはコットンツイルやウールなど、高品質な生地が使用され、長く愛用できる耐久性も備えています。スタイリングの汎用性も高く、ドレスアップにもカジュアルダウンにも対応できる万能性が魅力です。 |
コラボレーション
NEEDLESの創造的なパートナーシップ
NEEDLESは、独自の美学を持ちながらも、様々なブランドやアーティストとの協働を通じて新たな表現を模索してきました。特に注目すべきコラボレーションとしては、日本のストリートウェアブランド「AWGE」との協業が挙げられます。A$AP Rockyが手がけるこのブランドとのコラボレーションは、NEEDLESの国際的な認知度を高める重要な要因となりました。
また、同じネペンテスグループの「South2 West8」とのコラボレーションでは、アウトドアウェアとモードの融合という新しい解釈を提案。日本のスポーツブランド「Suicoke」とのサンダルの協業では、実用性とデザイン性を兼ね備えた革新的なフットウェアを生み出しています。
最近では、スケートブランド「Vans」とのコラボレーションスニーカーや、古着チェーン「2nd STREET」との限定コレクションなど、多様なパートナーとの協業を通じて、NEEDLESの世界観をより幅広いオーディエンスに届ける取り組みを展開しています。これらのコラボレーションは単なる商業的な企画を超え、異なる文化や価値観を融合させる創造的な対話としての意義を持っています。
ブランド愛用者:NEEDLESを愛する人々
NEEDLESは、その独創的なデザインと日本的な解釈によるアメリカンスタイルで、国内外のファッション愛好家、特にミュージシャンやアーティストなどのクリエイティブな分野で活躍する人々から強い支持を得ています。
国際的ミュージシャン
- A$AP Rocky – トラックジャケットの愛用者として知られる
- Tyler, The Creator – ライブやストリートスタイルで着用
- Playboi Carti – ミュージックビデオでも着用
- ハリー・スタイルズ – ヴィンテージミックスのスタイルに取り入れる
日本のアーティスト
- 菅田将暉 – プライベートスタイルでも愛用
- 野村訓市 – 長年のサポーターとして知られる
- 常田大希(King Gnu)– 独自のスタイルにNEEDLESを取り入れる
- 小袋成彬 – 音楽活動やファッションブックでの着用も
ファッション業界人
- 栗野宏文(UNITED ARROWS)– 日本のメンズウェアのパイオニアとして支持
- 藤原ヒロシ – 初期からのサポーター
- 高橋盾(UNDERCOVER)– デザイナー仲間として
- 南貴之(元『POPEYE』編集長)– メディアでも紹介
グローバルな影響力
INFLUENCE
「NEEDLESは日本ブランドでありながら、アメリカンヴィンテージの魂を最も深く理解し、それを全く新しい形で表現しているブランドだと思う。特にTrackジャケットは、現代のストリートウェアの歴史に残る名作だ。」