伝統とモダニティが交錯する革新的ファッションの世界
こんにちは、ファッション愛好家の皆さん。今回は日本発のグローバルブランド「sacai(サカイ)」をご紹介します。異なる素材や概念を巧みに融合させた独創的なデザインで、世界中のファッション愛好家を魅了し続けるsacaiの魅力に迫ります。
創設者格言:阿部千登勢の哲学

「私が大切にしているのは、相反するアイテムを組み合わせ、それでいて新しい何かを作り出すこと。それを着る人が、自分らしさを表現できるような服を作りたい。」 – 阿部千登勢
sacaiのデザイナー阿部千登勢は、対照的な要素の調和を重視する独自のデザイン哲学を持っています。彼女の言葉には、既存の常識に捉われない自由な発想と、着る人の個性を尊重する姿勢が表れています。
「ハイブリッドは私のDNAのようなもの。異なるものが出会い、新しいものが生まれる瞬間に魅力を感じます。その予測不可能さが面白い。」
阿部氏のクリエイションの核心にあるのは「ハイブリッド」の概念です。フォーマルとカジュアル、メンズとレディース、古典と現代—これらの相反する要素を一つの服に融合させる手法は、sacaiの世界観を象徴しています。このアプローチにより、見る角度によって印象が変わるような奥行きのある服作りを実現しています。
ブランド沿革:sacaiの歩み
年 | 出来事 |
---|---|
1999年 | 阿部千登勢が自宅からブランド「sacai」を立ち上げ |
2003年 | 東京・青山に初の直営店をオープン |
2009年 | パリコレクションでのプレゼンテーション開始 |
2011年 | パリファッションウィークでメインコレクション発表開始 |
2013年 | メンズラインの展開を開始 |
2015年 | ナイキとの初コラボレーション「NikeLab×sacai」発表 |
2018年 | ニューヨーク・ソーホーに北米初の旗艦店オープン |
2019年 | バーバリーとアイデンティティを横断した「ルック」を共作 |
2020年 | ジャン・ポール・ゴルチエとのコラボレーションコレクション発表 |
2022年 | カートゲインとのコラボレーションカプセルコレクション発表 |
誕生と初期の歩み
sacaiは1999年、コム デ ギャルソンで8年間経験を積んだ阿部千登勢によって設立されました。最初は自宅の一室からスタートし、少量のニットウェアを中心としたコレクションを発表。ブランド名は旧姓の「サカイ」に由来しています。当初は国内の少数のセレクトショップでの取り扱いでしたが、そのユニークなデザインと高品質な作りが徐々に評価されていきました。
国際的な展開とパリコレクション
2009年、sacaiはパリでのプレゼンテーションを開始。2011年からはパリファッションウィークの公式スケジュールに組み込まれ、本格的な国際進出を果たしました。伝統的なテーラリング技術と革新的なデザインの融合は、保守的なパリのファッションシーンに新風を吹き込み、ヨーロッパのバイヤーやプレスからも高い評価を獲得します。
メンズラインの誕生と拡大
2013年に始動したメンズラインは、ウィメンズと同様のハイブリッドな手法を男性向けに再解釈。クラシックなフォーマルウェアとスポーティな要素を組み合わせるなど、従来の男性服の概念を覆すデザインで注目を集めました。メンズファッション誌『GQ』からも「最も革新的なメンズウェアデザイナー」として評価され、世界中のセレクトショップで取り扱いが拡大しました。
コラボレーションの拡大
2015年以降、sacaiはさまざまなブランドやデザイナーとのコラボレーションを積極的に展開。特に2015年から始まったナイキとのコラボレーションシリーズは、スニーカーカルチャーにも大きな影響を与え、「NikeLab×sacai LDWaffle」は発売と同時に完売となる人気を博しました。その後もビューティーブランドや老舗ファッションハウスまで、異なる分野との協業を通じてsacaiの世界観を広げています。
パンデミック後の展開
2020年のパンデミックの中でも、sacaiはデジタルプレゼンテーションを活用した新しい表現方法を模索。2022年にはフィジカルショーに復帰し、より洗練されたシルエットと素材使いで、ポストパンデミック時代のファッションの可能性を提示しています。また、サステナビリティへの取り組みも強化し、リサイクル素材の活用や生産プロセスの見直しなど、環境に配慮したものづくりへの移行も進めています。
ブランドライン:sacaiのコレクション
ウィメンズコレクション
伝統的な素材や技法を現代的に解釈したハイブリッドな設計が特徴。複数の異なるガーメントを一つに融合させた構造的なデザインや、独特のレイヤリング、意外性のあるディテールが独自のスタイルを生み出しています。ドレスの背面にジャケットのディテールを取り入れるなど、常に視点を変えるクリエイティブな手法が見られます。
メンズコレクション
2013年にスタートしたメンズラインは、クラシックとコンテンポラリーの境界を曖昧にするアプローチが特徴。テーラードジャケットとスポーツウェアの融合、ミリタリーとドレスコードの混成など、伝統的な男性服の概念を再解釈しながらも、実用性と着やすさを損なわない絶妙なバランス感覚が評価されています。
コラボレーションライン
sacaiは多くのブランドやデザイナーとのコラボレーションを通じて、その創造性の幅を広げてきました。代表的なものには:
コラボレーション | 年 | 特徴 |
---|---|---|
Nike×sacai | 2015年〜 | 複数のクラシックナイキモデルを融合させた「LDWaffle」や「Blazer」などのスニーカーが話題に。スポーツウェアとハイファッションの境界を曖昧にしたアパレルラインも展開。 |
The North Face×sacai | 2017年 | アウトドアブランドの機能性と都会的なスタイルを融合。防水素材を使用したドレスやスカートなど、実用性とファッション性を両立。 |
Dior×sacai | 2021年 | ディオールのテーラリング技術とsacaiの革新的な素材使いが融合したカプセルコレクション。両ブランドのロゴを組み合わせた限定アイテムも。 |
A.P.C.×sacai | 2019年 | A.P.C.のミニマルなフランスらしさとsacaiのハイブリッド手法を組み合わせたコレクション。デニムやストライプなどのA.P.C.の代名詞的要素をsacaiが再解釈。 |
Jean Paul Gaultier×sacai | 2020年 | ゴルチエの伝説的なアーカイブとsacaiの現代的アプローチを組み合わせた限定コレクション。マリニエールストライプやコルセットなどのゴルチエの象徴的要素を現代的に再解釈。 |
アクセサリーライン
sacai Bag & Accessories
衣服と同様のハイブリッド手法を取り入れたバッグやアクセサリーは、2010年代半ばから本格的に展開。複数の機能が融合したバッグや、異素材を組み合わせたジュエリーなど、実用性と独創性を兼ね備えたアイテムが揃います。特に「Pocket Bag」シリーズは、取り外し可能なポケットや変形する構造など、従来のバッグにない多機能性で人気を集めています。
ブランド愛用芸能人:sacaiを愛する著名人たち
sacaiは、その独創的かつ知的なデザインで、世界中のセレブリティやアーティストからも支持を得ています。常識に捉われないスタイルを好む個性的な著名人に特に人気があります。
国内セレブリティ
- 小松菜奈 – 広告キャンペーンやファッション誌での着用多数
- 菊地凛子 – 国際的な映画祭でsacaiのドレスを着用
- 野田洋次郎 – ステージ衣装やプライベートでも愛用
- 椎名林檎 – コンサートやミュージックビデオでの着用が話題に
国際的セレブリティ
- ケイト・ブランシェット – レッドカーペットやインタビューでの着用
- カニエ・ウェスト – 早期からのサポーター、特にメンズラインを愛用
- ティルダ・スウィントン – 映画プロモーションでのsacaiのスタイリングが話題に
- フランク・オーシャン – 音楽イベントや私生活でも着用
ファッション業界人
- アンナ・ウィンター – Vogueエディターとして早くから注目
- サラ・アンダーウッド – バイヤーとしてsacaiの価値を国際的に広めた
- ニック・ウースター – メンズファッションアイコンとして影響力を発揮
- スージー・メンケス – ファッション評論家として高く評価
セレブリティエピソード
「最初にsacaiのコートを着たとき、何人もの人が『そのコートはどこのブランド?』と尋ねてきました。一見シンプルに見えるのに、角度や動きによって全く異なる表情を見せる、そんな服に私は魅了されました。sacaiは服を着る喜びを再発見させてくれるブランドです。」
— ケイト・ブランシェット
また、カニエ・ウェストは2013年に「sacaiは現在最も重要なブランドの一つだ」と発言し、自身のワードローブに多くのsacaiアイテムを加えました。彼の影響力は北米市場におけるブランド認知度の向上に大きく貢献したと言われています。
まとめ:sacaiの魅力と未来
sacaiは単なるファッションブランドを超え、対立するコンセプトの融合という哲学的なアプローチを体現しています。阿部千登勢の「ハイブリッド」の概念は、ファッションの枠を超えて、異なる文化や価値観が交錯する現代社会への一つの回答とも言えるでしょう。高い技術力と創造性を背景に、予測不可能な組み合わせから生まれる「新しい普通」を提案し続けるsacaiは、今後もファッション界の革新者としての地位を強固にしていくことでしょう。
ブランドの特徴
- 相反する要素の融合「ハイブリッド」手法
- 高度な縫製技術と素材開発
- 実用性と創造性の両立
- 多様なコラボレーションによる表現の拡張
今後の展望
- サステナブルファッションへの取り組み強化
- デジタル技術を活用した新しい表現方法
- グローバル市場での更なる拡大
- 若手デザイナーとの協業による新たな視点の導入
創設から20年以上を経て、sacaiはますます進化を続けています。従来の常識に挑戦し続ける姿勢は、ファッション業界に新しい風を吹き込み、多くの人々にインスピレーションを与えています。日本のデザインの力を世界に示し続けるsacaiの今後の展開から目が離せません。
あなたもsacaiの世界を体験してみませんか?
決まったルールに縛られない、自由で新しいファッションの可能性。sacaiが提案する「ハイブリッド」な世界観があなたのワードローブに新たな風を吹き込むかもしれません。
この記事が、ファッションやデザインに興味を持つ皆さんのブランド理解の一助となれば幸いです。次回は別のデザイナーブランドについて深掘りしていきます。お楽しみに!